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花壇の草木が消えた事件の続報:抜いた人と目的が分かったかもしれません

花壇プロジェクト

いきちか花壇プロジェクト」という,公園花壇を利用しながら地域での自主的な関わり合いを育む活動をしています。

花壇しかないところからスタートしたプロジェクトでしたが,少しずつ,応援くださる人が増え,花が増え,参加する人も増え,少しずつやりたいことに向かって形ができ始めていると感じています。

その矢先,先日のブログでお伝えしたとおり,2022年6月に,新蒲田二丁目児童公園の大切な草木が突然ぽっかりと消える事件がありました。そして,どのような人物がどのような目的で行ったのかを想像しようとしても想像しきれず,不可解で,混乱していました。

本件に対して,たくさんの方に慰め・励ましのお言葉をいただきました。ありがとうございました。

今回は,本件の続きをご報告いたします。この,草木を抜いた人物と,目的が,分かったかもしれません。

広場おじさん

新蒲田二丁目児童公園の近くに,植物をきれいに仕立てている広場があります。その広場を仕立てているおじさんと,昨夏に一度だけお話したことがありました。お互いのことを話し,私は,私自身は素人であることや,いろいろな人と一緒にこの公園花壇を使っていきたいと思っていること,仲間を募集中であることなどを話しました。そのときのおじさんは,「まあがんばれよ」と,私たちの活動を応援してくれているように感じました。

その後,花壇に白いワイヤー柵がきれいに取り付けられていたときも,伸びすぎの花が消えたときも,枯れた一年草がそろえて置かれていたときも,作業に丁寧さが感じられたので,私は,あのおじさんが私たちを助けるためにしてくれたのかな? と想像していました花壇プロジェクトのLINEオープンチャット内でも,そう思っていることを伝えていました。

しかし,最後の6月14日に草木が消えた件だけは,この広場おじさんだと仮定することができませんでした。元気な草木が根こそぎ抜き去られるのは,私たちを助けるためとも,植物のためとも,到底思えませんでした

おじさん本人に確認できました

昨夏お会いしたときにおじさんとの連絡手段を相談しましたが,断られていました。名前もしぶしぶ教えてくれた状態でした。以前より柵のことなど確認したいことがたくさんありながら,ずっと会えずにいました。その広場おじさんに,6月某日,偶然会うことができました。そのあと予定があり時間は十分にはありませんでしたが,時間ギリギリまでお話しました。

おじさんは,6月14日に抜いたことは否定しました。「あんたたちの花壇だ,勝手に抜いたりしない」と。

しかし,勝手に抜いたりしないと言いながらも,「草ぐらいは抜いたけどな」ということでした。確認したところ,6月2日に枯れた一年草を抜いたのは,おじさんでした。そして12日にシジミバナを2本抜いたのも,おじさんでした。「ああ,込み入っていたから抜いた」と。公園内の雑草も,背の高いものだけは時々抜いたそうで,写真を見せて確認したところ,6月上旬に謎の雑草がそろえて置かれていたのも,おじさんでした

また,14日に抜かれた草木の中でイチゴだけがミニ花壇に植え替えられていましたが,このイチゴをミニ花壇に植えたのも,おじさんということでした。「イチゴな。なんか出てきたから植えたよ。これ,もう死んでるかもしれねえけど」

写真も見せながらなるべく行き違いや誤解のないように確認させていただいたところ,結論として,6月14日に草木を抜いたことだけは否定しましたが,それ以外の類似する出来事は,おじさんがしたということでした。

さて,唯一否定している14日の消えた件ですが,「勝手に抜いたりしない」と言いつつもシジミバナなどを抜いている矛盾があります。また,ここに関する回答は様子がふわふわして,申し訳ないですが,信憑性に欠ける印象です。そして,(抜かれた)イチゴをおじさんが植えたとなれば,抜いたのも同じ人物と思うしかありません。この6月14日の草木が消えた件については,ご本人は否定しているものの,私たちは,広場おじさんが抜いたのだと結論づけました

白柵も,おじさんが付けたとのことでした。私からはお礼とともに,外れやすくてワイヤーが危ないので取り外したこと,今は東矢口三丁目公園で使わせていただいていること,必要ならお戻ししたいことを伝え,東矢口三丁目公園での継続使用をご了承いただきました。

草木を抜いた理由

私は,元気な草木が抜かれた意味が分からず,ずっと困惑していました。草木のためや私たちのためのお手入れには思えませんでした。また現場の状況から,酔っ払いのイタズラとも,自宅利用や転売目的の泥棒とも思えませんでした。

それが,おじさんと直接話せたことで,やっと分かってきました。

あれは,草木のためや私たちのためではなく,おじさんの美学のためでした。私たちの花壇がおじさんの美学に沿わなかったため,手を入れてしまったようでした。

おじさんはおじさんの美学があり,その美学にのっとって,広場をきれいに仕立てています。広場全体が1枚の絵になるように仕立てているそうです。実際に広場は美しく,おじさんの美学と作品はすばらしいものです。一方で私たちの花壇は,個人個人が手持ちの花を比較的自由に植えています。全体のバランスをまったく気にしていないわけではありませんが,個々人が主体的に花壇に関わってくれることを一番大切にしています。結果,おじさんから見ると,非常にバランスの悪い,耐えがたい花壇になっていたのだと思います

それぞれ,大切にしているものが異なります。人によって価値観が異なるのは当然です。それでよいのです。そして,その異なるそれぞれが,独立して,互いに認め合って,時に協力し合えばよいのです。それが私が大切にする社会観です。

ですが,おじさんは私たちの花壇を認めることができず,自分の好みにしようと手を入れてしまいました。さらに,私は直接会話の中でも,私たちの花壇はアートではなくみんなで使い合う花壇であること,ここは見守ってほしいことを繰り返し伝えましたが,なかなかご理解いただけませんでした。最終的には子どもを使い,この花壇は子どもが学ぶために使っているという説明をしたことで,「そういう花壇なのか」と,理解を示していただけたと感じました。実際はこの花壇は子どもも大人も区別なく,みんなで学び合いながら使っています。子どもを理由に出さないと理解いただけなかったことには,大人への不寛容を感じました。

子どもを理由にしてしまいましたが,ひとまず「そういう花壇」と理解くださった感触はあるので,おじさんが認知トラブル等でこのことを忘れない限り,もう勝手に抜いてしまうことはないように思っています。

昨夏出会ったときにはおじさんも一緒にこの花壇に関わってくれればと思っていましたが,今回,目指すものが異なることが分かりましたので,今後は,それぞれ別の花壇で,異なる互いを認め合っていければと願います。

不可解で悲しかったこの事件,草木が戻らないので解決とは言えませんし,この事件を今後どう生かしていくかも整理できていませんが,ひとまず,一段落です。

多様性を受容し合う社会を目指して

あなたはあなたで,私は私で,それでいい。みんな違って,それでいい。何か危険行為などがあった場合は行為は否定します。でも違うこと自体は構いません。違うことの善悪や可否などはジャッジせず,違うことや多様であることをそのまま受け入れ合える社会になればと願っています。

皆さまもそのような社会に向かって,どうぞご協力をお願いいたします。

運営団体紹介ページより以下のものを引用して終わります。

人間の多様さに触れるほど,あらゆる意味で普通の人などいないことを実感する一方で,多くの人が普通でないことで苦労したり傷ついている現実も見てきました。

この生きづらさの多くが,提供される社会サービスの規格に一致しないことによって,たちまち取りこぼされ,自分の努力(自助)だけで対応しなければいけなくなったり,あるいは規格に収まるように自分の形を変えなければいけなかったりという,社会の仕組みに受容性や柔軟性がないことに起因しているように思います。

せっかく生まれてきた私たち。少しでもラクに楽しく生きられるよう,社会の新しい仕組みづくり・つながりづくりに,長期的に取り組んでまいります。一緒に生きましょう。

運営団体(いきちか学童クラブ運営会)

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