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ボリジ2022 in いきちか花壇

花の様子

東京都大田区との協働で公園花壇を自主管理しています(現在は,新蒲田二丁目児童公園と東矢口三丁目公園の2か所)。なるべく多くの人と一緒に花壇を使いながら,地域での自発的な「関わり合い」や助け合いの土台が生まれるといいなと思っています。私個人としてはもともと決して花好きというわけではないものの,公園花壇の人をつなぐツールとしてのポテンシャルの高さと,土の奥深さにはまっています。

花壇の誕生秘話もまた別の機会にまとめたいですが,とにかくお金も何もない中でのスタートでした。そのため,最初の苗や種のご寄贈には本当に助けられました。そのあとに「花の里親」企画を始める際にも,たくさんのタネをご厚意でご寄贈いただきました。それらのご寄贈の中で出会った「ボリジ」が,いきちかクラブの活動にとても便利な素敵なお花でした。今日はそのボリジをご紹介します。

ボリジとの出会い

何もないところで始まった花壇の初年度は,私たちの活動を見つけてくださった板垣博英さんなど,横浜市港北区の緑化団体の方々がたくさんの苗をご寄贈くださいました。その苗を2020年末(冬)に,子どもたちと一緒にワイワイと植えました。量も多かったですし,何より自分に花の知識が全然なかったので,このときに何を植えたかはほとんど把握できていませんでした。冬を越え,春にそれらが育ってくる様子を見ながら,花壇プロジェクトのオープンチャットやInstagramに写真に上げて,それの名前を教えていただきながら,ゆっくり覚えていきました。ちなみにInstagramでは頻繁に花壇の様子を発信しているので,ぜひフォローして見守ってください。

ボリジという名前を初めて知ったのは,この写真↓のころです。この写真に写っている大きな葉っぱの植物は「ボリジ」ということ,そしてボリジの花は食べられるということを,教えていただきました。

初めてのボリジの花

ボリジは,2021年4月にめでたく開花しました。花は青い小花で可憐ですが,株は全体的に大きいです。たくさんの種類が植わっている花壇の中で,一番の存在感でした。

この青い小花が食べられるというので,摘んで,食べてみました。さほどクセもなく,シャキシャキとレタス感覚で食べられました。

一応,この花壇は食用栽培はNGということになっています。区が,体内に入るものへの責任をとれないからだそうです。なので,このボリジは観賞用栽培です。観賞用ですが,たくさん咲くのでその一部をつんで利用する(自己責任で食べる)のは,いきちかクラブ的にはOKにしました。

ボリジの花はお裾分けできる

せっかくたくさん咲いているので,つんだボリジの花を,花壇プロジェクトに参加していない知人たちにも分けてみました(食べる場合は自己責任ですがと言い添えて)。「食べられるお花」という物珍しさ,食事が「映える」便利さから,声かけした人の全員が受け取ってくれましたし,喜んでくれました。

それまでは,公園に来て見てもらうか写真を見てもらうしか,花壇の花を人と共有できずにいましたが,ボリジのお裾分けをきっかけに,花をつんでお裾分けするという共有方法もあることに気付きました。

公園に来れない人ともボリジを介してコミュニケーションが生まれ,花壇プロジェクトのことも伝えられ,そして喜んでいただけます。ボリジとはなんて便利な花でしょう。お裾分けは必ずしもエディブル(食べられる)の花でなくても,観賞用の切り花でもできると思います。ただボリジは小花がたくさんつくので,切り花よりも,分けられる「量」が圧倒的に多くなります。何より,受け手の「ウケ」の良さが抜群です。

2年目に張り切ってボリジの種まき

1年目のボリジは,途中で倒れたり茎が割れたり,また,ヒマワリのタネを植える場所も必要になったので,タネがとれる前に処分することにしました。きっと1本ぐらい「こぼれダネ」から育つだろうと信じて。

しかしありがたいことに,秋に数粒,ボリジのタネを分けていただくことができました。

2年目もぜひボリジに咲いてもらって活用したかったので,「花の里親」としてボリジをタネから育ててくださる地域の方と私のそれぞれで,土ポット「ジフィーセブン」にボリジのタネをまきました。発芽率も高く,丈夫でぐんぐん育っていきました。花の里親さんは完全に室内だけで育て,公園に植えるまでは一度も外気に触れさせたこともなかったそうですが,それでも元気に育っていました。ボリジ,強い!

手前3つの大きな子葉がボリジ。子葉からして大きい。ほかと比べても本当に大きい。本葉が生えないうちに根がジフィーセブンを突き抜けました。
根が出てしばらくしたら,根が隣のジフィーセブンに入りまくりました。強い。そしてここまで根がむき出しでも乾燥しないタフさ。

いきちか花壇でのボリジ2022

秋から冬にかけて,ジフィーセブンと鉢で育ったボリジ。立派に大きくなったので,2022年の1月に新蒲田二丁目児童公園の花壇に植えました。

ジフィーセブンはすぐ限界を迎え,9センチポットに植え替えましたが,ポットでも限界なボリジ。キャベツやブロッコリーなどの野菜みたいな風貌。
1月9日に植えたとき
1月29日に植えたとき

鉢での育苗中は日に日に成長していたボリジでしたが,2022年の1~2月は例年より寒さが厳しかったためか,公園花壇に植えてからはピタリと成長が止まってしまいました。下の写真は,上段が1月29日,下段が3月3日の姿です。ここに植えた4つすべてのボリジが,3月に入っても全然姿が変わらず,やきもきしました。

上 1月29日。 下 3月3日。 ボリジは成長しないどころか葉っぱが傷んできました。

3月中下旬からようやく温かくなりました。やっと成長が再開しました。そこからいっきに,ぐんぐんと横にも縦にも広がり,4月中旬に無事開花しました。前年と比べると1か月近く遅い開花でしたが,葉も茎も十分立派で,元気いっぱいです。

3月21日。やっと葉が増えてきました。(なお,左端でボリジ以上に大きく広がる葉は,ネモフィラと思っていたけど雑草のナガミヒナゲシでした…)
3月28日。花芽も見えてきました。花壇の収まり的にはこれぐらいがバランスいいですよね。
4月8日。高さも出てきました。ボリジ以外の花も大きくなって,花壇内がぎゅうぎゅうです。3月3日と違いすぎる。

4月20日。元気に咲いています。
5月6日。ほかの花が花壇外に押しやられています。このミニ花壇に「惑星ボリジ」と愛称がつきました。

ご覧のように元気いっぱい,花が有り余るほど咲きましたので,公園で一休みしている子連れママに花を渡したり,自由につんでいってねと声かけしました(食べる場合は自己責任と言い添えて)。集合活動日に花壇前を通りがった人たちにも声をかけたところ,そのあと一緒に時間を過ごすことができたりしました。

ボリジは去年のこぼれダネで育ったものもあり,花壇のスペース的にその場所で育てるのは厳しかったので,それは抜いて株ごと人にプレゼントしました。

ボリジは今年も,コミュニケーションのきっかけに,花壇と地域の人をつなぐのに,大活躍です。

ボリジの使用例

ボリジの花は軽く洗ってお使いください。

緑色のガクは付いている方が見た目はかわいいのですが,ガクの産毛が舌に触ります。子どもは痛いと嫌がる子もいます。なので,食べる場合はガクは取るほうが無難です。下の動画のように,洗っているうちに自然と外れたりもします。あとは,花の裏の柄の部分と,花の表の中心部分をそれぞれつまんでひっぱれば,だいたいは取れます。

ボリジの花のガクの取り方

あとは,お好きなお料理に添えてください。手抜き料理の映え役に便利です。ハンバーグでもカレーでも冷ややっこでも,何にでも添えたり乗せたりしてみて,いろいろお試しください!レッツトライ!

一番違和感がないのは,サラダです。また,個人的に一番「映える」と感じたのは,オイル系パスタです。(しかし映えてもなお,ここで公開できるレベルの夕飯を作れません)

ボリジの保存も兼ねて,製氷に入れたりもしてみました。結論として,普通に凍らせると,氷が白く濁って残念な感じになりました。ゆっくり凍らせるなどして氷を透明にした方が映えると思います。意欲がある方は挑戦してみてください。

せっかく花を入れても氷が白く濁ると,残念感満載。

ネットを見て,ボリジの花の砂糖漬けの存在も知りました。花に卵白を塗って,砂糖をまぶして,乾かします。大変です。普段の自分であればまず作りませんが,ボリジ活用法の研究目的に,一度試しました。そして,「うん,なるほどわかったから,もうしない」となりました。子どもは砂糖が好きなのでまた食べたいと言っていますが,おそらく,もうできません。

このほかにネットで,白ワインに浮かべると花の色が変わるという記事も見て試しましたが,全然変わりませんでした。

ボリジの葉も食べられるという情報を見ますが,相当加熱して「なんとか食べられる」状態にして食べている印象を受けました。いきちか花壇の「観賞用ボリジ」の葉は,そこまでして食べなくてもいいよね,いざというときの非常食だね,と話しています。いざなんてまず来ないと思っていますが,それでも,いざというときの食料をわずかでも自給できていると思うと,安心感があります。ボリジすごい。

ボリジのタネ

つみ取られず,花壇で鑑賞されて咲き終わったボリジの花は,タネをつけます。

ボリジのタネは熟すと土に落ちる系なので,最初は思うように採れずに苦労しましたが,花数が多いためタネも多く,最終的には十分な量が採れました。土に落ちたタネも大量にあるため,来年そこから出てくる芽も大量にあるのではと思います。

来年も花壇で育てるには十分すぎる量のタネが採れました。今までタネをいただいてばかりでしたので,こういうときこそ,私たちから希望者に差し上げたいと思います。

ボリジのタネ,または,来春にこぼれダネから出てきた芽をご希望の方は,ぜひご連絡ください。

ボリジは虫にも役立っています

ボリジの花を観察していると,ミツバチかアブか(識別できません)が,よく密を吸いにきていました。このボリジがいつかハチミツになるのかなと想像すると,とてもうれしい気持ちになります。

テントウムシも,ボリジの中で生まれて育っていました。テントウムシの幼虫やサナギなんて,花壇活動を始めるまで見たことありませんでしたが,去年も今年も,ボリジの中でたくさん見かけました。

ボリジは虫たちにとっても命の恵みとして活躍していました。

また来年

ボリジは一年草です。4~5月に花を十分咲かせて,タネもたくさん作って,5月下旬には元気がなくなったので,5月末に切りました。太い茎の中は空洞で,みずみずしく,特大の空心菜のようです。太い茎をポキポキ切るのも楽しいので,また来年,どうぞボリジを一緒に育てて,一緒に使って,一緒に切ってください。

この記事を偶然見つけてくださったあなたとも,ボリジがつないでくれました。せっかくのご縁ですので,どうぞ「いきちか花壇プロジェクト」に,何らかの形でゆるゆると,気軽に関わってみてください♪

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