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ジフィーセブンで種から育てるコツ ~初めての種まきで発芽率を上げて徒長を防げ~

花壇プロジェクト

いきちか花壇プロジェクト」という,匿名OKのオープンチャットで連絡を取り合いながら公園花壇を地域の人で使い合う取り組みを行っています。気軽で自主的な新しい地域のつながり作りを目指しています。

現在(2021年秋),東京都大田区の新蒲田二丁目児童公園の花壇に植えるための花の苗を育てていただける方に,花の種と,お手軽な土ポット「ジフィーセブン」を,無償でお渡ししています。種から育てていただいて,ある程度丈夫な苗になったら,公園花壇に植えていただきます。たくさん育ったら残りは差し上げます♪ 丈夫になるまで育ててくださる方を,「花の里親」と呼んでいます。

花を育てるのが初めての方もお気軽に挑戦ください。皆さんに新しい経験を積んでいただくことも,このプロジェクトの重要なねらいです。失敗しても大丈夫!失敗こそ貴重な学びのチャンスです。

とはいえ,失敗するとご本人的には悲しいですよね……。特に本当の初回の場合は,失敗体験よりは多少なりの成功体験をつんだほうが,次回の再挑戦へと意欲が湧きやすいように感じています。

植物育ても子育て同様に,ひとつだけの正解というのはありません。しかし,正解はなくても失敗はありえます。今回は,自分の失敗も踏まえて,徐々に身についてきた失敗しないためのコツをシェアさせていただきます。

ジフィーセブンとは

ジフィーセブンは,サカタのタネ製の,そのまま植えられる土ポットの商品名です。種まきや挿し芽に最適なピートモスベースの培養土で,初期生育肥料も入っています。「花の里親」さんにはこのジフィーセブンと希望の種をお渡します。

不織布で覆われていて,給水するだけですぐ使えます。ちょっと倒れたぐらいでは土が散らばることもありません。お手軽です。色々な心理的なハードルを下げてくれるので,初めての種まきにお勧めです。

ジフィーセブン

コツ1:最初の吸水時に水を余らせすぎない

ジフィーセブンは最初は薄くて硬いタブレット状です。そこに水を吸わせて,ふわふわの土にしてから使います。

ジフィーセブンの最初の吸水の様子(※30~40倍速)

15~30分ほどかけて,じわじわ水が染み込んでいきます。土に十分染み込むと,吸水はストップします。

もし最初に水を入れすぎると,土に吸われなかった水がトレイ(受け皿)に余ります。そしてこの余った水の中には,もともとジフィーセブンに入っていた肥料が溶け込みます。つまり,土の栄養が水に流れ出て,そして水と一緒にそれを捨てることになります。土より深く水を入れた場合には,土そのものが流れてしまうこともあります。

多少であれば,土の肥料や土そのものが減ったとしても,これが即失敗につながる訳ではないかもしれません。ただ,意味なく減らしてしまうことは単純にもったいないですし,多少は成長の妨げを招いているかもしれません。入れた水が少し余るのは仕方がないので,「水を大量には余らせない」という心づもりでの吸水をおすすめします

コツ2:種を深く入れない

ジフィーセブンに限りませんが,種まきというのは,思っていた以上に,種の深さもシビアな印象。深く入れすぎると発芽しにくくなります。

たとえば「しっかり穴を開けて,種を入れて,土で埋める」という気持ちで埋めてしまうと,深くなりすぎる傾向があります。

気持ちとしては,無理に穴は開けずに,土(ジフィーセブン)の表面をほぐしておいて,種を置いたあとに「かるく土をかぶせる」程度で大丈夫と思います。(ほぐすのもかぶせるのも,私はお箸が扱いやすいです)

適切な深さは種の種類によるので,種まき前に確認してみてください。小さめの種であれば,2~5mm程度が多そうです。ぜひ一度定規で確認してみてください。2mmって本当にかぶせるだけでその厚みになります。そして好光性の種の場合は,0mm,つまり種むきだしでも大丈夫だったりします。

ちなみに,マリーゴールド,コスモス,タンポポなどの細長い種は,横向きがおすすめです。縦長の状態で土にさし込むと,深くなりすぎます。私は最初に「マリーゴールドの種には上下がある」という記事を読んでしまって,なるほど上下があるのねと,張り切って上下正しく縦にさし込んでしまい・・・結果,大量に失敗しました・・・。

細長い種は横向きに寝かせて,ふんわり土をかぶせよう

コツ3:水やり(灌水)の量は,トレイに水が残らない程度

これもコツ1と同様に,トレイにたくさん残るほどの水をあげると,土の肥料切れを早めます。

そして水が多く,土がいつも湿っていると,「白い軸」が伸びすぎる恐れも出ます。この白い軸が伸びすぎる状態を「徒長」(とちょう)といいます。この子葉の下の白い軸部分は,茎ではありません。その後の成長すべてを支える土台となります。もしここが,かいわれ大根のようにひょろっと細長く伸びると,そのあとの成長を支えきれずにへたりやすくなります。全体的に弱く,病気にもなりやすいようです。

発芽してすぐに白軸がグングン高く伸びる姿は,一見うれしくなりがちですが,実は,これは全然うれしくない状態です。むしろこれを防ぐことが,種まきを成功に導くための重要課題です。本葉が出るまでは特に上に伸びる必要はなく,地中のどっしりとした成長を優先してもらいたいです。

さて,水のあげすぎが徒長を招く一方で,もちろん水が少なすぎるのもよくありません。特に発芽するまでの間は,土の表面を乾かさない方がよいとのことです。適量の水が必要です。この適量というのが分かりにくいのですが,1日1回の水やりとして「土の吸い残した水が,トレイに残るか残らないかぐらいの量」がひとつの指針に思っています。

ただし,屋外で強い太陽光に当てている場合は乾きが早いので,トレイに多少水が残るぐらいでちょうどよい場合もあります。それでも,一度に大量の水をあげるよりは,水やりの回数を増やした方がよいように思います。すぐ乾くけど水やりの回数を増やせないという場合は,置き場の見直しも行ってみてください。

徒長した例(このあと全部ダメになりました)

コツ4:夕方以降は水やりをしない

これも徒長を防ぐためのコツです。夜に土が過湿していると,光のない夜に無駄に伸びてしまいます。基本的に,夕方以降は水やりをしません。

朝にジフィーセブンに水を十分染み込ませてから外に置いておくと,通常,夕方には乾き気味になっています。発芽後であれば,それでよいようです。そのまま,水はあげずにがまんして,朝まで待ちます。植物にとっても過保護や過干渉(=過湿)はNGのようです。乾き気味な時間に根が伸びるらしいので,乾き気味タイムをしっかり確保してください。その時間がないと,根でなく白軸が伸びて,徒長するという訳ですよね。

ただし,夕方でも乾ききって苗がぐったりしている場合は,もちろん水をあげてください。特にジフィーセブンの土は一度完全に干からびてしまうと,そのあと土の吸水力が戻らないことがあります。完全に干からびるのは苗にも土にも致命傷になります。

コツ5:芽が出そうになったら日光に当てる

やはり植物にとって日光は正義です。日光も徒長を防ぐ重要なキーのようです。一番重要なキーに感じます。

ただ,種まき直後に強い日光に当てるのはあまりよくない説もあります。ジフィーセブンのパッケージにも「少しずつ日に当てるようにする」と書いています。(少しずつという曖昧表現の解釈が難しいのですよね・・・)

現時点での私のやり方は,以下のとおりです。

  • 種まきした当日は日光は避けて,室内でおだやかに過ごす。
  • 室内が快適な温度であれば,そのまま数日は室内で過ごす。(屋外の方が快適な温度や風具合であれあば屋外に)
  • 種から出た畳まれた白い軸(うなじ)が見え始めたら,それ以降は日光必須。なるべく屋外の日当たりのよい所におく。葉っぱが土から出ないうち,うなじのチラ見え状態のうちから,日光に当てる。
  • うなじが見えなくてもさすがに10日ほど経ったら,屋外に出して土に日光と風を浴びせてみる。よどませない。

葉が出る前,白軸(うなじ)が見えたら日光必須,を覚えておいてください。朝に外出する前に,今日あたりに白軸が出そうという予感があれば,その時点で日光が当たるところ(そして雨が当たらないところ)に出しておいてください。

なお,室内でも窓辺であれば結構日光に当たっている気もするのですが,やはり屋外で全身に日光を浴びる方が,どっしり強く育ちます。窓辺で特定の方向から光を浴びると「日光を求めてそちらに伸びました」という状態にもなりがちです。

徒長していない通常の軸の長さの例

コツ6:間引く

たくさん種をまいて,たくさん発芽したら,元気な1本だけ残してあとは切ります。間引きます。(※細いリナリアは間引かないことにしました)

芽が密接・密集状態だと,日光を求めて競い合って,伸びやすくなります。徒長ですね。土の栄養もたくさんの芽で奪い合うことになります。そのため,間引かずに複数の芽が一緒に育った苗は,間引いたひとりっ子の苗よりは,小さく育ちがちです。

せっかく発芽した芽を切るのは,かわいそうであったり,もったいなかったりしますよね。そういうときは,間引く芽を丁寧に堀り出して,別の土に移す方法もあります。しかし小さなジフィーセブンで密集している芽を取り出すのは,そう簡単ではありません。残すべき芽まで傷つけるリスクがあります。確実に育てることが第一目的であれば,間引く芽は切り捨てるのが無難です。

間引く時期は,一般的には本葉が出てからと言われています。しかし,小さなジフィーセブンの中で芽が密集している場合は,早めに間引いて広くしてあげてよいように思います。特に品質のよいタネの場合は基本的にどの芽も十分強く,どれを残しても大差はなさそうに感じます。一度にたくさん切らなくても,1本からでも構わないので,様子を見ながら環境を整える手助けをしてあげてください。

コツ7:発芽適温になるよう環境調整

種にはそれぞれ発芽に適した温度があります。(里親さんにお渡しする種の発芽適温は,オープンチャット内のノートに書いています)

適温を逸脱すると,発芽率はぐっと下がります。まず季節を逃さないことが重要です

少しだけ時期がズレた場合などは,なるべく発芽適温になるように環境調整をしてあげた方がベターです。たとえば寒い場合は,発泡スチロールのような断熱性の高い容器に入れ,蓋をしておくと,容器内は少し温かくなります。暑すぎる場合は,エアコンの効いた涼しい室内に置いておくのも有効です。ただこの場合も,日光や風を遮りすぎるとうまくいかないので,要注意です。

そしてこれは発芽するまでの話で,発芽後の温度は,ある程度自然に任せざるをえないと思っています。植物は自然物ですので,自然にはあらがえません。先にお伝えのようにも,うなじが見えてからは日光必須です。

コツ8:雨に当てない

(2022年追記分)白い軸が出てからは日光必須です。ただし,発芽間もない赤ん坊状態では,雨に当てることはまだ避けたいです。雨の雑菌に負けて病気になりやすくなるのと,強雨で軸が折れてしまう危険性があります。日に当てたいけど雨には当てたくないので,天気が変わりやすそうな日は,置き場にご注意ください。

いつから雨に当てても大丈夫かは一概に言えないと思いますが,私は少なくとも本葉が出るまではまだ赤ん坊と思って接しています。

コツ9:軽いので風飛び注意

(2022年追記分)小さくて軽いジフィーセブンは,風で転倒しやすいです。日当たりのよい高台に置いていたら風で飛んでいって行方不明になった,という事例も複数出ています。風飛びにご注意ください。

コツ10:種の鮮度も気をつけて

(2022年度追記分)そもそも種が未熟であったり,鮮度が落ちていたりする場合は,上記のようなことにいくら気をつけても,発芽しません。数年前にもらった種を見つけてまいてみたけど発芽しない,というようなケースは,そもそも種の品質が原因である可能性が高いです。種は生ものなので,夏場は冷蔵庫などで保管した方が無難です。

以上,自分が学んできたコツを書かせていただきましたが,最初に書いたように,失敗しても学びの機会となりえます。ぜひ皆さまもすべてのプロセスを楽しみながら,一緒に花を育ててください♪ (上記以外のコツもぜひコメントにて教えてください)

そしてこれから「花の里親」になってくださる方,また,「いきちか花壇プロジェクト」に何らかの形で関わってくださる方は,ぜひお気軽にご連絡ください。ご寄付も大変ありがたいご支援となります。どうぞよろしくお願いいたします。

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