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オーガニック花壇の害虫対策

花壇プロジェクト

東京都大田区の新蒲田二丁目児童公園の花壇を使って,地域で自主的につながり合い,育て合い,学び合うための取り組みをしています。詳しくは「いきちか花壇プロジェクト」のページをご覧ください。

さて,この「いきちか花壇」は,まるで小さなジャングルです! 小さな花壇ですが,たくさんの種類の緑が繁り,多様な虫もここで生活しています。豊かな生態系!

しかしその分,花壇の花や新芽の,虫による食害が深刻になってきました。虫の様子,たねだんごから新芽が消えた様子などは次の2つの記事をご参考ください。

虫との共存もあこがれますが,そうは言っても,種まきをしても芽が育たない状態は困るので,対策が必要になりました。

以前「コーヒーかす」を試したところ,全然効きませんでした。ナメクジたちは,湿ったコーヒーかすの中で,心地よさそうにくつろいでいました。

今回はやむを得ず,もう少し効力のあるハーブと薬剤を使用することにしました。しかし,ここ「いきちか花壇」は花だけを育てる場所ではなく,土ごと育てる場所です(ついでに花壇を通して人も育ちます!)。土に害のある薬剤は使いたくありません。そこで,使用してもオーガニック栽培,オーガニック花壇を名乗れるもの・方法を,アドバイザーの板垣博英先生に教えていただきました。先生,いつもありがとうございます。

使用日は,2021年6月5日(土)。

使用ハーブ・薬剤は,「ニームケーキ」「木酢液」「ナメトール」と,場外使用の「ハイパーお庭の虫コロリ」です。

ニームケーキ

ニームという木に,虫除けのすごい効果があるそうです。インド医学(アーユルベーダ)では,ニームはお薬扱いだそうです(ニームを育ててみたくなりますね)。とはいえ,民間療法的な位置づけで,科学的根拠はまだ十分ではないかもしれませんが,それでも最近オーガニックなガーデニング界隈では,このニームの効果が期待され始めています。

このニームから作るガーデニング商品としては,「ニームオイル」と,オイルをとる際の残りかすから作った「ニームケーキ」があるようです。

使い方は,オイルは,用途に応じた濃度に水で薄めて,葉っぱでもどこでも,目的の場所にスプレーします。ニームケーキは,土にまぜます。ニームケーキは商品分類としては「植物性土壌改良材」になるようです。自然の成分です。

今回使用したのは後者のニームケーキです。少し肥料っぽいにおいがありますが,比較的マイルドです。

埋めたいところにシャベルを立てて入れれば埋めやすいそうです!裏技!

木酢液

続いて,木酢。こちらも自然のものです。炭を焼くときに出る煙を冷やして液体にしたものだとか。においは確かに,ザ・スモーク!

ガーデニングでは,害虫対策にも,植物の生育促進にもなるとか。よいことだらけじゃないですか。

入浴剤としても皮膚トラブルに効果的といわれていて,私も何年か前までお風呂用の木酢液を使っていました。多分,子どもができてから遠ざかって,そのまま忘れていました。また使いたくなりました。

よいことだらけに見えますが,デメリットは,そのにおい。木酢液は,ニームケーキよりも,がっつりにおいます。煙のにおいなので,有害なにおいという訳ではありませんが,ただ強くにおいます。

通常,木酢液は,用途に応じた濃度まで水で薄めて,スプレーやジョウロで散布します。しかしこの日,薄めるための容器がなかったため,「翌日雨だし,いっか」と,原液のまま花壇にまきました。濃度が異なるとむしろ有害になる場合もあるので,これはお勧めしません(後日,自宅のハーブに高濃度の木酢液をかけたら,ダメージが出ました)。やめたほうがいいです。そして数日間,花壇がスモーキーでした。公共の場で申し訳ございませんでした・・・。

ナメトール

先までは自然なものでしたが,ここからは薬剤です。

コーヒーかすの中でも悠々とくつろげる強靱なナメクジたちなので,ここはもう薬剤に頼らないと厳しいと判断しました。

とはいえ,このナメトールは使っても「有機農作物」(オーガニック)と名乗れるらしいので,ちゃんと有機的な(?)ものなのだと思います。(←このへんもうちょっと詳しくなりたいです)

ツマグロヒョウモンの幼虫が育ってきていたので,ツマグロさんがいるところ(パンジー・ビオラ周辺)を避けながら,花壇のあちらこちらにこのナメトールをまきました。

ナメ取ってね,ナメトール!

(場外)ハイパーお庭の虫コロリ

アース製薬の薬剤です。もう名前からして強そうです。

「家の周りや庭にまくだけで、ナメクジ、カタツムリ、ダンゴムシ、ワラジムシ、ヤスデ、コオロギ、ムカデ、アリなどの様々な害虫を誘引し、食べさせて駆除する。」だそうです。

カラフルな顆粒。まくだけでOK。ものすごい手頃です。オーガニックとか関係なく,とにかく害虫を駆除したい!という場合は,とても便利な品だと思います。

ただしこれはオーガニック対応品ではないので,これを花壇の中にまくと,もう花壇の土はオーガニックでなくなります。

いきちか花壇は今のところオーガニックでいきたいですし,花壇の中にいる蝶の幼虫までコロリされると困るので,こちらの薬剤は花壇の中でなく,外にまきました。花壇の内外に大量にいるダンゴムシ・ワラジムシがターゲットです。

花壇の外にまいたカラフルなハイパー虫コロリ。子どものお菓子みたい。

商品パッケージには「ひと晩で効果を実感!」と書いていますが,いきちか花壇では,1週間ほど経って,この顆粒のそばでダンゴムや謎の虫がたくさん死んでいるのが確認されました。十分な効果です。

ダンゴムシはかわいいのですけどね。自宅でも観察飼育をしているぐらい愛着もありますが,しかしとにかく多すぎます。ものごとは,過ぎてはいけません。過ぎたるは猶及ばざるが如し。自宅で飼育してみたダンゴムシがキャベツをあっという間に食べ尽くす姿を見ると,花壇の草花も相当食べられているのだろうなと思います・・・。

以上,いきちか花壇で使用した害虫対策のハーブ・薬剤をご紹介しました。同じようにオーガニックガーデンで,虫の害に困っている方のご参考になれば幸いです。

なお,この薬剤を使う前に,人力での地道な捕獲と,地表を覆っていた草の刈り込みも行っていることを補足します。それでいくらか減った気もしていますが,これからの梅雨で絶対また増えると宣言されたので,今回ドカンと薬剤を投入した次第です。

そしてその後,花壇のあちらこちらから,発芽が確認できています!

遅ればせながら出てきた新芽も,今のところ食べられていません!!!YES!!!期待!!!

ダンゴムシ(赤ちゃんも!)は乗りつつも,遅ればせながら種だんご周辺から何やら発芽

いきちか花壇プロジェクトとは

いきちか花壇は,みんなの花壇です。誰でも一緒にお使いいただけます。自分に合った形で花壇に「関わって」ください。そうして,ゆるやかに新しいつながりが生まれることを期待しています。もちろん花を通じて新しい体験や学びも得られます♪

みんなで,わいわい言いながら,種をまいたり,剪定に挑戦したり,写真を撮ったり,今回のように虫対策をしたり,イベントを企画したり,新しい挑戦をしてみませんか。参加費は無料です。お住まいや年齢などの制限もありません。

オンラインだけの参加も大歓迎です。SNSやブログにコメントしたり,プロジェクトのオープンチャットにも入ってみてください。チャットはまずは見るだけ参加でも大丈夫です。

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いきちかクラブ向井
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