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学童保育におけるプロジェクトベースの課題解決学習(PBL)

保育者向け記事

今日は,いきちかの特徴の1つでもある,プロジェクトベースの課題解決学習について,お話します。

これは,「PBL」と呼ばれています。

PBLとは何か

まずPBLは何の略かと言いますと,これは,「Project Based Learning」(プロジェクトに基づいた学習)でもあり,「Problem solving Learning」(問題解決型学習)でもあります。

2通りの名称があり,日本語でどうするかが大変悩ましいワードですが(苦),PBLはようするに,自分たちの関心ごとを,自分たちで「プロジェクト」として,進展していくことです。

問題を問題として自分で認識し,
チームに理解されるように伝え,
みんなで話し合い,
みんなで計画を立てて,やってみて,
結果を振り返り・・・
みたいな感じです。

そしてPBLは学習(Learning)です。プロジェクトの「結果」ではなく,「過程(プロセス)」自体に価値があります

この学習は,古典的な座学での記憶に基づいた学習とは明らかに異なります。生きた学習です。まさに,ザ・「アクティブラーニング」で,文科省のいう「主体的・対話的で深い学び」そのものだと思っています。

学童保育は本来もっともPBLを行いやすいところ

アクティブラーニングの重要性は教育界では周知のことであり,学校でも取り入れなければいけなくなっています。PBLという名前でなくても,同じような学習を取り入れている学校は増えてきています。しかし実態としては,与えられたテーマ,与えられた枠組みの中だけで学習が進められている状態が多いように感じています。極端な話では,グループディスカッションさえ行えば,それがPBLまたはアクティブラーニングだと片付けられているようにも見えます。

そもそも学校教育には限界があると思っていますので,学校教育で理想的なPBLを行うべきだとは申しません。私が学校ではなく学童保育に参入している理由もここにあります。

本当のPBLやアクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)は,学校教育よりも,学童保育などの方が適している面があります。

これらの学びは主体的であることが肝心かなめです。そのためにも,テーマは大人から与えられるのではなく,子どもたち自身の自然な興味関心に基づいていることが,重要です。

いきちかが定義するPBLは先の述べたとおり, 自分たちの関心ごとを自分たちで「プロジェクト」として進展していくことです。 それを子どもたちが勝手にできるのであれば苦労しませんが,もちろんそうはいきません。支援者によるサポートが必要です。まず,子どもたちの関心ごとは,よほどの強い関心でなければ,子ども本人も自覚できていません。PBLのために,支援者がそれを拾う手伝いから必要です。信頼関係を築き,普段から子ども本人に関する情報を発信してもらうこと,そして支援者は子どもたちの何気ない発言や態度を逃さず,子どもの理解に努め続ける姿勢が必要です。

学童保育は,支援者が子どもと「生活を遊び」をともにしながら,専門的な観点で保育記録もつけているところです。学校以上に,子どもの素の興味関心を拾いやすい環境のはずです。

そして学童保育の支援員は,遊びのプロでもあります。拾った興味関心を,無理なく楽しく遊び感覚でプロジェクトへとつなげていくのは,支援員の腕のみせどころです。

学童保育には毎日のように通い,集団で過ごしていることも,プロジェクトを遂行するのにふさわしい条件となっています。

幼児保育にはプロジェクト型保育という言葉があります。PBLの要素を大切にした保育と理解しています。幼児保育で大切にされていたPBLが,一方で学童期になると行われなくなる現状が,本当に残念です。

いきちか学童クラブでは,プロジェクトベースの課題解決学習を重視し,日常の学童保育の中でそれを促す取り組みを行ってまいります。

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いきちかクラブ向井
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